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あの日の沖縄

【季節の話題・夏】ヨーカビー

 旧暦8月8日から15日ごろにかけて行われるヨーカビーという行事があります。この時期にはタマガイ(火の玉)や悪霊がよく出没すると言われ、戦前は、この日の夜に屋根や木の上、集落を見渡せる高い場所に登り、タマガイが上がる家を見張ったといいます。
 タマガイが上がった家では死人が出ると言われ、ユタ(霊的能力で託宣、ト占、病気治療などを行う民間巫者)の判示により、厄払いの祈願をしたそうです。また、子供達もホーチャク(爆竹)を鳴らして厄払いをしました。地域によっては、タマガイがはっきり見えると幸運が来ると伝えるところもあるようです。
 不思議な話に関連して、怪談話が収録された資料を一部紹介します。
『大洋 1940年7月号』
(1940年 小坂英一/文芸春秋社)【
T00011301B】
伊波南哲「歌を唄ふ幽霊-琉球夜話」が収録された雑誌。石垣島の宮良に伝わる怪談話があります。
『ドルメン 第3巻第9号9月号』
(1934年 岡茂雄/岡書院)
【T00011457B】
 本誌収録の茂野幽考「南島の夏の生活と怪談」には奄美大島の怪談話があります。
【参考引用文献】
・『沖縄民俗 第18号』(1970年 奥村幸巳/琉球大学民俗研究クラブ)【T00012874B】
・『カラー 沖縄の怪談』(1973年 西原松生/月刊沖縄社)【T00003652B】
・『最新版 沖縄コンパクト事典』(2003年 琉球新報社)
・崎間麗進/多和田真重『沖縄暮らしの大百科 冠婚葬祭・年中行事・風水』(2005年 那覇出版社)