「情報公開」「記録の紛失」など、良くも悪くも記録をめぐる話題が注目を集めています。記録は私たちにとって身近な存在です。家族の写真、映像、日記など個人や家庭からも多くの記録が生まれます。社会の営みの中で、そして組織の活動において日々、記録は生み出されます。情報化社会で記録は爆発的に増えました。しかし、めまぐるしく変化する現代社会の中で無意識のうちに失われる記録もまた多いように思います。
他方、現在ある私たちの社会は、過去の記録の積み重ねによって成り立っている、と言っても過言ではありません。過去の記録を糧に、新しい知識や見解が生まれ発展を遂げている一面があります。
沖縄学の先達、伊波普猷がニーチェの警句を翻案した琉歌があります。「深く掘れ、己の胸中の泉、余所たよて水や汲まぬごとに」
その琉歌には、将来を展望する上で郷土の歴史を深く知ることが重要との意義が込められているようにも感じます。
当館では、米国統治下の自治の記録である琉球政府文書約16万簿冊を所蔵し、それらを広く利用していただくことからスタートしました。さらに開館後は、米国において、沖縄を統治した米国側の公文書を収集し、また、沖縄の行政等に深く関わった、県内外の個人や団体の私文書を、そのコレクションに加え、所蔵資料の充実を図ってきました。
沖縄の戦後史を学ぶ方が、必ず訪れてくれるような公文書館になったと自負しています。
さらに、現代の公文書館には、新しい役割が求められています。 当館では、公文書館法の趣旨にのっとり、行政文書を公開することによって行政の説明責任を果たし、開かれた社会の確立に貢献するという使命を果たすため、様々な取り組みを行っています。
歴史を跡づける公文書等を収集・整理・保存するとともに、広く県民の利用に供し沖縄県の教育、学術、文化の振興並びに行政に寄与するために今後も努力を重ねていきます。
多くの皆さまのご利用をお待ちしています。
平成20年4月1日
沖縄県公文書館館長 本間 勝
| 1972年(昭和47)1月 | 琉球政府局長会議において「琉球政府公文書類の引継要領」を改め沖縄県に引き継がれる文書類を保存することを決定する |
|---|---|
| 1972年(昭和47)5月15日 | 琉球政府公文書類が沖縄県総務部文書学事課に引き継がれる |
| 1978年(昭和53)6月1日 | 琉球政府文書の整理作業を民間業者へ委託する |
| 1981年(昭和56)4月1日 | 琉球政府文書の管理を文書学事課から沖縄県史料編集所へ移管する |
| 1986年(昭和61)4月1日 | 沖縄県沖縄史料編纂所は、沖縄県立図書館の一室である沖縄県立図書館史料編集室となり、引き続き琉球政府文書を管理する |
| 1987年(昭和62)12月15日 | 公文書館法公布、1988年(昭和63)6月1日施行 |
| 1989年(平成元)4月1日 | 沖縄県教育庁社会教育課において公文書館設置準備費を予算計上する |
| 1991年(平成3)12月19日 | 沖縄県教育庁社会教育課に「沖縄県公文書館設置検討委員会」を設置する |
| 1992年(平成4)3月30日 | 沖縄県公文書館設置検討委員会が沖縄県教育長に対して「沖縄県公文書館基本構想」を報告する |
| 1992年(平成4)4月1日 | 沖縄県公文書館に関する業務が教育庁から知事部局に引き継がれ、総務部文書学事課内に公文書館建設担当が配置される |
| 1993年(平成5)1月13日 | 沖縄県知事が、沖縄県公文書館の建設位置を南風原町新川(農業試験場地)にすることを公表する |
| 1993年(平成5)1月16日 | 沖縄県公文書館基本設計のコンペ開催 |
| 1993年(平成5)3月15日 | 沖縄県公文書館基本設計の当選作品の決定 |
| 1993年(平成5)4月1日 | 沖縄県総務部文書学事課に公文書館建設班を設置 |
| 1993年(平成5)9月30日 | 実施設計完了 |
| 1994年(平成6)1月17日 | 沖縄県公文書館建設工事起工式(旧沖縄県農業試験場用地) |
| 1995年(平成7)3月29日 | 沖縄県公文書館建設工事竣工 |
| 1995年(平成7)3月31日 | 「沖縄県公文書館の設置及び管理に関する条例」が公布される |
| 1995年(平成7)4月1日 | 沖縄県公文書館設置 |
| 1995年(平成7)5月15日 | 琉球政府文書を沖縄県立図書館史料編集室より引き渡し |
| 1995年(平成7)6月16日 | 沖縄県公文書館落成式 |
| 1995年(平成7)8月1日 | 「沖縄県公文書館管理規則」公布、施行 |
| 1995年(平成7)8月1日 | 沖縄県公文書館開館 |
| 1996年(平成8)4月1日 | 公文書館業務の一部を財団法人沖縄県文化振興会に委託 |
| 2007年(平成19)4月1日 | 公文書館業務を平成19年4月1日から平成22年3月31日まで、指定管理者 財団法人沖縄県文化振興会に委託 |