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琉球政府文書

公民館・青年会・婦人会 ~ 社会教育団体基礎調査

文教局指導部社会教育課の「社会教育に関する書類」から、中部地区の公民館・青年会・婦人会などの状況が概観できる資料を紹介します。

『社会教育団体基礎調査書 1962年度 中部連合区教育委員会』(R00162932B)は、1962年現在の管内の社会教育団体について中部連合教育区が調査し、1963年3月に文教局に報告したものです。

公民館、青年会、青年学級、婦人会、社会学級、PTAのほか、視聴覚教具と新生活運動についての調査もあり、当時の中部地区における社会教育の状況がわかる便利な資料です。

ここでは、公民館、青年会、婦人会の活動状況を紹介します。

 

公民館

まず、公民館については、各館の設置年度、対象地域の戸数と人口、施設や設備の概要、主な事業内容と予算、特色などがわかります。

 

 例えば、1959年度に設置された具志川村公民館は、瓦屋根で40坪の建物に、2,100冊の単行本と、録音機、カメラ、レコード、アコーディオンなどのが視聴覚用具を備えています。

1962年度の予算額は約3,390ドルで、前年度の主な事業は、社会教育講座、青年学級講座、体育レクリエーション、街頭補導、幼稚園保母研修などでした。

また、「20の部落支部公民館を有している」、「図書活動を通じて部落公民館とつながっている」、「村内のあらゆる団体や階層の人達の参加のもとに運営されている」ことが特色として挙げられています。

 

青年会

次に、青年会については、会員の構成(男女別、年齢別、学歴別、職業別)、活動状況、経理状況、集会の状況、会運営上の問題点などがわかります。

 

恩納村青年会の場合、会員数は男性245名、女性107名の計352名で、該当年齢人口(16~25歳)に対する加入率は80%です。

会員の職業は、男性では農業と軍労務が多く、女性では商業、軍労務、ついで農業となっています。

活動内容は、講演会や野外活動などの「教育文化活動」が最も多く、平和行進などの「社会活動」、各種球技大会や駅伝大会などの「体育レクリエーション活動」がそれに続きます。

会運営上の問題点には、「集りが悪い」、「役員になりたがらない」に加えて、「農村在住青年の減少、特に女子青年の出稼ぎ者が多く会運営に支障をきたしている」とあり、農村からの若者の流出という状況がみてとれます。

この調査からは、恩納村青年会にかぎらず、中部地区の各青年会における会員の職業は、総じて軍労務が多いことがわかります。また、恩納村青年会で80%となっている青年会への加入率は、22%(具志川村青年会)から100%(読谷村青年会)までとかなりの幅があります。ぜひ画像をクリックして、他の青年会とも比べてみてください。

 

婦人会

最後に、婦人会については、会員数(年齢別、学歴別、職業別)や活動状況、集会状況、経費状況などがわかります。

 

例えば、嘉手納村婦人会の会員数は1,482名で、30~39歳が最も多く、学歴では戦前の尋常小学校(国民学校)が半数以上を占めています。職業は、7割超が家事で、ついで商業と軍労務です。

活動状況をみると、約4割が「生活改善運動」で、これに「教育文化活動」が続きます。

問題点としては、「部落集会所が少く、これが下部組織の活動意欲を阻んでいる」ことのほか、「テレビ普及率が高く、晩の集会は曜日を勘案しなければならない」とあるのが目を引きます。人気のテレビ番組がある夜には、婦人会に人が集まらないことが課題となっていたようです。

各婦人会が抱える問題点には、このほかにも「役員になる者は特に主人の理解を必要とする」、「他機関からの協力要請が多すぎる」(恩納村婦人会)、「関係諸官庁との問題、その仕事の効果をあげる為めに婦人団体に協力を求める事が多く、行事が度々かち合って困る事が多い」(石川市婦人会)などがあり、女性団体がおかれていた状況も透けてみえます。

 

そのほか、視聴覚教具の調査からはラジオやテレビの普及状況が、また新生活運動として「時間生活の実行」などに取り組んでいたこともわかります。

1962年当時の中部地区において営まれていた社会教育や生活の様子を、ぜひ資料から読みとってみてください。

 

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