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あの日の沖縄

1999年9月24日 県議会、「かりゆしウェア」着用を認定

 1999年(平成11)9月24日、第6回沖縄県議会(定例会)が開催され、議会運営委員会の申し合わせにより、初めて県議会でのかりゆしウェア着用が認められました。

沖縄県広報誌 大きな和』通巻290号(第23巻11号)1999年11月【0000114205】
「県政フラッシュ」より。かりゆしウェアを着用する議員たち。

 かりゆしウェアは、「沖縄の夏を快適に過ごすとともに、沖縄県を訪れた観光客をあたたかく迎え入れ沖縄のイメージアップを図るために考えられたウェア」です(沖縄県HP「かりゆしウェアとは」より)。現在ではビジネスシーンや冠婚葬祭など、さまざまな場面で着用されています。県議会でのかりゆしウェア着用にちなんで、かりゆしウェアが普及するまでのあゆみを所蔵資料でご紹介します。

 かりゆしウェアの原型は、1970年(昭和45)沖縄観光連盟会長の宮里定三氏の発案で生まれた「おきなわシャツ」です。「沖縄独自のアロハシャツで観光地・沖縄らしさを演出」する目的でつくられましたが、高価だったこともあり、普及には至りませんでした。
 しかし、1975年(昭和50)の沖縄国際海洋博覧会をきっかけに、県内観光業者の間で「南国をイメージさせる沖縄らしいシャツ」をユニフォームに取り入れる動きが活発になっていきました。

「めんそーれ沖縄県民運動推進協議会の設置関係 3/4 」
沖縄県商工労働部観光リゾート局観光振興課 1991~1992年 
【0000112759】

 1989年(平成元)、官民連携による「めんそーれ沖縄県民運動推進事業」が始まりました。この事業は、「県民の観光・コンベンションの意識の高揚を図ることによって、県民一丸となった受入れ体制づくりを推進し、もって、地域社会の活性化と教育文化の振興に寄与すること」を目的としています(沖縄県HP「めんそーれ沖縄県民運動推進事業の概要」より)。 その事業の一環で、1990年(平成2)5月に、当時「沖縄ウェア」と総称されていたウェアの名称公募が行われました。


『かりゆしウェアヒストリーブック』沖縄県商工労働部商工振興課発行 2013年 【0000120804】

 グラフは、かりゆしウェアの製造枚数の推移を表したものです。2000年(平成12)のサミットを契機に増加し、2012年(平成24)には過去最高の製造枚数を記録しました。日本政府が環境対策や省エネの目的で提唱した衣類の軽装化、クールビズなども追い風となり、現在では、沖縄県内の夏の正装として定着しています。

【参考・引用文献】
・『かりゆしウェアヒストリーブック』(沖縄県商工労働部商工振興課発行 2013年)
沖縄県HP「かりゆしウェアとは」
沖縄県HP「かりゆしウェア普及の経緯」