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あの日の沖縄

2006年9月18日 「しまくとぅばの日」の始まり

 「しまくとぅば」とは、世代を超えて受け継がれてきた地域の生活に根付いた言葉のことです。しかし、過去の標準語を励行する政策や都市化など生活環境の変化により、最近ではしまくとぅばを話すことも聞くこともできない世代が増えてきています。
 沖縄県では、本県文化の基層といえる「しまくとぅば」を次世代へ普及継承していくことが重要であるとして、2006年(平成18)3月31日に「しまくとぅばの日に関する条例」を制定し、9月18日を「しまくとぅばの日」としました。
 当館が所蔵する沖縄のことばに関する資料をいくつかご紹介します。

『沖縄對話』(1880年 沖縄県学務課)【T00016128B】
 『沖縄對話』は、1879年(明治12)の廃藩置県により沖縄県が設置された翌年、「共通語」を教えるために沖縄県学務課が編集発行した教科書です。創設されたばかりの師範学校や小学校で使用されました。

桑江良行『標準語対照 沖縄語の研究』(1930年 青山書店)【T000014572B】
 桑江良行は、沖縄語の研究者で沖縄県立第二中学校の国語教育の教諭でした。本書は、標準語教育推進のための参考資料として書かれたもので、標準語と沖縄語の違いや対応関係の解説があります。

伊波普猷「琉球の方言」『ことばの講座』(1933年 音聲学協会)【T00014568B】
 東京中央放送局(日本放送協会の前身)が放送した「ことばの講座」講演者12名の講演録17編が収録されています。その中に伊波普猷の「琉球の方言」があります。


田中俊雄「第二次沖縄県学務部の発表を論駁す」『月刊民芸 第2巻第3号 3月号』(1940年 浅野長量/日本民芸協会)【T0001312B】
 1940年(昭和15)に沖縄を訪問した日本民芸協会の柳宗悦は、県当局が推進していた標準語普及運動が少し行き過ぎてはいないかと述べたことから、論争が巻き起こりました。沖縄県学務部が日本民芸協会を非難したことに対して、同協会の田中俊雄が本書で反論しています。田中は、日本民芸協会のメンバーとともに3回にわたって訪沖し、沖縄の織物について調査研究を行いました。

 

【参考サイト】
・「文化振興課の役割-しまくとぅばの日」沖縄県文化環境部文化振興課ウェブサイト
【参考引用文献】
・『月刊民芸 11・12月合併号 沖縄言語問題』(1940年 淺野長量 /日本民芸協会)【T00004358B】
・本永守靖「『沖縄語の研究』」『沖縄大百科事典 上巻』(1983年 沖縄タイムス社)【T00000187B】
・渡名喜明「田中俊雄」『沖縄大百科事典 中巻』(1983年 沖縄タイムス社)【T00000199B】