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公文書管理のいろは

「歴史公文書」って何?

    公文書管理法では、歴史資料として重要な公文書を「歴史公文書」と定義しています(第2条第6項)
    ここで言う「歴史資料として重要な公文書」とはどのようなものでしょうか?
    国の「行政文書の管理に関するガイドライン」によると、「歴史資料として重要な公文書その他の文書」は、次のⅠ~Ⅳのいずれかに該当する文書で、保存期間満了後に国立公文書館等に移管し、「特定歴史公文書」として永久保存し、一般の利用に供することになっています。

 

Ⅰ.国の機関及び独立行政法人等の組織及び機能並びに政策の検討過程、決定、実施及び実績に関する重要な情報が記録された文書
Ⅱ.国民の権利及び義務に関する重要な情報が記録された文書
Ⅲ.国民を取り巻く社会環境、自然環境等に関する重要な情報が記録された文書
Ⅳ.国の歴史、文化、学術、事件等に関する重要な情報が記録された文書

 

    それらは具体的にはどのような文書でしょうか?「ガイドライン」では、それぞれについてさらに詳しく具体例が示されています。

Ⅰ.の「国の機関及び独立行政法人等の組織及び機能並びに政策の検討過程、決定、実施及び実績に関する重要な情報が記録された文書」とは?

● 国の機関及び独立行政法人等の設置、統合、廃止、改編の経緯並びに各組織の構造や権限及び機能の根拠に関する情報が記録された文書

● 経緯も含めた政策の検討過程や決定並びに政策の実施及び実績に関する情報であって、将来までを見据えて政策の理解や見直しの検討に資すると考えられる情報が記録された文書

 

Ⅱ.の「国民の権利及び義務に関する重要な情報が記録された文書」とは?

● 国民の権利及び義務の法令上の根拠並びに個人及び法人の権利及び義務の得喪に関する基準や指針等の設定に関する経緯も含めた情報が記録された文書

● 個別の許認可等のうち公益等の観点から重要と認められるものに関する情報が記録された文書

● 国民からの不服申立てや国又は行政機関を当事者とする訴訟の提起等に関する情報のうち、法令の解釈やその後の政策立案等に大きな影響を与えた事件に関する情報が記録された文書

 

Ⅲ.の「国民を取り巻く社会環境、自然環境等に関する重要な情報が記録された文書」とは?

● 政策の変更や優先順位の設定に影響を与えた社会環境、自然環境等に関する情報が記録された文書

● 政策が国民に与えた影響や効果、社会状況を示す重要な調査の結果、政府の広報に関する情報が記録された文書

● 我が国の自然環境に関する観測結果等、その動態に関する情報が記録された文書

 

Ⅳ.の「国の歴史、文化、学術、事件等に関する重要な情報が記録された文書」とは?

● 我が国の領土・主権、来歴や、多くの国民の関心事項となる自然災害及び事件等の重大な出来事(国内で起きたものに限らない。)に関する情報が記録された文書

● 学術の成果やその顕彰等及び文化、芸術、技術等の功績等のうち重要なものに関する情報が記録された文書

 

    以上の「ガイドライン」も参考にしながら、あなたの自治体ではどのような文書が「歴史公文書」に相当するかを考えてみてはいかがでしょうか。