琉球政府文書

政党に関する書類

琉球政府以前の行政組織の資料から、「政党に関する書類」を紹介します。

琉球政府以前の行政組織の「政党に関する書類」には、沖縄民主同盟、共和党、社会党に関する簿冊や政党演説を記録した簿冊などが含まれています。

沖縄民主同盟に関する書類 1948年 1月~  資料コード:R00000476B
共和党に関する書類 1950年11月06日以降  資料コード:R00000472B
社会党に関する書類 1948年01月~ 総務部  資料コード:R00000478B
政党に関する書類綴 1948年1月~  資料コード:R00000477B
政党演説に関する書類 1949年 総務部  資料コード:R00000474B

戦後沖縄の各政党は、1947年10月15日に公布された軍政府特別布告第23号「政党について」により、会計報告書、綱領、政策、党員名簿などを沖縄民政府並びに米軍政府に提出する義務を課せられていました。そのために、琉球政府文書には政党に関する種々の資料が含まれています。

なお、琉球政府文書に含まれる政党関係の資料として、総務局総務課「政党に関する書類」などもあります。

 関連記事:総務局「政党に関する書類」(1)結成届、綱領、会計報告

      総務局「政党に関する書類」(2)政党演説

      総務局「政党に関する書類」(3)那覇市長問題をめぐって

 

三党合同演説会

「沖縄諮詢会、沖縄民政府、沖縄群島政府に関する書類」に含まれる政党関係の簿冊から、注目資料として「 政党に関する書類綴 1948年1月~」(資料コード:R00000477B)をご紹介します。

まず、1949年に沖縄民主同盟、沖縄人民党、社会党によって名護で行われた三党合同演説会に関する資料を見てみましょう。

次に示すのは、名護警察署長から沖縄民警察部長に提出された文書です。

「三党合同演説会開催について」(1949年5月7日) 

ここでは、開催日時、場所、主催者、目的、弁士の氏名、聴衆人員などが記録されており、「聴衆に與へたる感動の有無」の欄には「絶えず拍手を為し多大の感銘を與へたり」とあります。

 

それでは演説内容を見ていきましょう。まず、社会党の大宜味朝徳の演説です。

      「社会党 大宜見朝徳」

大宜味は、「沖縄の民政府が根本問題から誤つてゐるのであります」「沖縄で最も改革して行かねばならない事は、みな様、官僚主義に依つて政治されてゐる事をよく認識しなければいけません」など、沖縄民政府が「形式主義政治」であると批判したうえで、「形式的を打破しなければ沖縄は絶対に立上がれません」と訴えています。

 

続いて人民党の新垣幸吉の演説です。

  「人民党  新垣幸吉」

新垣は、「戦争も終り日本軍閥の手から離れ解放されたのでありますが、我々は勝利の國アメリカの名誉ある平和の民主主義をたゝへて来ましたが、余りにも人民がぼやぼやしてゐる内に米軍政府は配給品の半減三五%実施とか我々の首にかゝはる事が起つて来たのであります。そこで人民總束となつて我々の支配者たる軍政府と闘はなければなりません」と演説し、米軍政府と対峙する態度を表明しています。

 

次は沖縄民主同盟の仲宗根源和の演説です。「アメリカは吾々の土地を使用してゐるから我々は只使用させてはなりません。〔略〕借地料を拂はなければなりません。CICが私の所に来てアメリカがそれを拂ふと思ふかと云ふてゐますが私は何處までも請求すると云ひました。私は皆さんと約束しますからアメリカから土地を買ふと云ふても賣つてはなりません」と述べています。

  「民主同盟  仲宗根源和」

 

また、名護での三党合同演説会では、「琉球知事並に議会議員を公選し速かに憲法を制定せよ」「一九四七〔ママ〕年度所得税を全額免除せよ」「自給体制確立する迠軍補給物資を増配せよ」の3つのスローガンが決議されました。

  「決議文」(1949年5月6日)

 

日本復帰促進期成会

「 政党に関する書類綴 1948年1月~」(資料コード:R00000477B)には、日本復帰期成会に関する文書も含まれています。

日本復帰促進期成会の「主意書」には、「琉球の歴史的、地理的、経済的、文化的、民族的関係から速やかに日本に復皈する事が琉球人に繁栄と幸福をもたらす」という立場から、署名活動や関係機関への陳情を通して、「住民多数の願望である日本皈が実現する樣に運動を行なうとするものである」と記されています。続く「我々は、全面講和や基地提供反対等の主張をせず此の運動を單に琉球の皈属問題に局限する」との一文も、期成会の立場を表すものとして注目されます。

 「日本復帰促進期成会主意書」(1951年5月12日) 

 

日本復帰促進期成会の「署名心得」では、署名簿は二通作成すること、署名は本人の自書たること、自筆で署名できない人に対しては本人の了解の上で代筆可能であることなどが記されています。また「署名に当つては本人の意思を尊重し絶対に強要しないこと」ともあります。

 「署名心得」