米国国立公文書館から収集した米国潜水艦戦時哨戒報告書、1941年～1945年を公開しました。（平成19年6月22日）

同資料群は、「海軍軍令部長室記録群」（RG38: Records of the Office of the Chief of Naval Operations）の「米国潜水艦戦時哨戒報告書、1941年～1945年」（Entry 307 (A1): U.S. Submarine War Patrol Reports, 1941-45）から収集しました。

同報告書の記載内容は、1943年頃までは日ごとの潜水艦の航路や主な活動のほか、気象、エンジンの状況、敵船への攻撃の状況などについての記述が主でしたが、1943年後半頃から様式が変わり、「前書き」や「本文」から成る詳細な活動概要のほか、気象、潮流、航行機器の利用、敵船や敵機の発見、敵船への攻撃、機雷の敷設、敵の対潜活動に対して取られた対抗措置、船体・機関・砲艦の異常、交信記録、レーダーやソナーの状態、水密度、船員の健康状態、食事や居住環境、航行距離、消費燃料、航行時間、浮上時間、魚雷量などが記載されるようになりました。

米軍は日本軍艦船がよく通る海域を「ヒット・パレード（Hit Parade）」 、「船団大学（Convoy College）」 、「ダンカー派のダービー（Dunker’s Derby）」 、「レース場（Speedway）」などと名付け、そこを通過する軍艦や輸送船を次々に沈めていきました。 そのうち南西諸島海域は「丸の死体安置所（Maru Morgue）」 と呼び、学童疎開船の「対馬丸」や民間徴用船「湖南丸」、「嘉義丸」などを攻撃しました。

当館では、これまでの先行研究を基に沖縄県民が乗っていた輸送船を攻撃した潜水艦およびその戦時哨戒番号を特定して、以下のような報告書をマイクロ・フィルムより紙焼きして収集しました。
1942年12月28日・近江丸（USS Triton）
1943年5月26日・嘉義丸（USS Saury）
1943年12月21日・湖南丸（USS Grayback）
1944年1月2日・一心丸（USS Finback）
1944年3月6日・アメリカ丸（USS Nautilus）
1944年4月12日・台中丸（USS Halibut）
1944年5月14日・美山丸（USS Aspro）
1944年5月14日・美山丸（USS Bowfin）
1944年6月4日・白山丸（USS Flier）
1944年6月20日・日美丸（USS Hake）
1944年8月13日・広順丸（USS Bluegill）
1944年8月22日・対馬丸（USS Bowfin）

下の画像は湖南丸撃沈の際のグレイバック号（USS Grayback）の哨戒報告書の一部